Shogi 研究ノート(77桂型角換わり)

1級〜2段あたりの棋力をウロウロしているやつの将棋研究ノート

先手四間飛車対抗系①(編集中)

〈概要〉

四間飛車は、ノーマルなら簡単に居飛車が優位に立てるが、四間飛車側が自由に形を変えることで難しくすることが出来る。



【基本形】

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どの形でも金上がり→銀上がり→36歩から組む。
持久戦の方が結果的に四間飛車の自由度が上がってしまうので、急戦にせざるを得ない。
例えば、対振りミレニアムに対してこんな対策がある。

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△居玉の燿龍四間飛車から、中住まいにして桂頭を狙う。
こうなれば四間飛車の術中だ。
逆に言えば合理的な四間飛車は "組ませて戦う" べきなのだと思う。

とはいえ、常に急戦を狙うわけではなく、勝ちやすい時だけ急戦を狙うことになる。



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【基本①】

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△別に自分が指すわけではないが、人気のへなちょこ急戦について。以前の記事に書いた通り、37桂や78玉で左銀に紐が着く前に46歩と反発すると、四間飛車側から両取りがあり歩損してしまう。ここだけ注意。


【基本②】

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△急戦斜め棒銀は有力。
ただ、32金、62玉型では銀をスカして、もつれる戦型に変わっていく可能性が高く、難しいので指さない。

持久戦を目指しつつ、〈隙あれば斜め棒銀〉〈居飛車ミレニアム〉/〈居飛車ミレニアム〉〈その他(角道閉じエルモ囲いなど)〉の四択を考えながら指していくことになる。



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【パターン①早めの45歩】

まずは、基本形の対策に出来ない45歩型の四間飛車について見ていく。

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△金上がりの形から押さえ込みを目指す。
持久戦も急戦も狙えて、個人的にこの形が好き。


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【パターン②角を銀で受けてこない】

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香車を取らせて、こちらは歩を成る戦型を目指す。
最難関という程でもないが、簡単そうで実は変化が多く、四間飛車側にとってはそこそこ楽しさもあるような、互いに研究しがいのある戦型になる。
以前のブログでも紹介したが、歩成れて良くなるように見えて、すぐに桂を取ると馬を引き付けられ悪い。

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【パターン③🌟(ちょい難)王一手入ってから45歩】

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変化が多く厄介。例えば45歩の後に37桂は、角交換されてこれくらいで、あっという間に四間飛車から主導権を握られてしまう。
その他の変化も完全力戦に持ち込まれ、悪くはならないが難しい。先手番で捻りあいにはしたくない。


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△ということで、角道を閉じる。
飛車先の歩を付かれてもこちらからは取らない。
パターン①と同じく56歩を付いて金銀を盛り上げていく。

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△この形にさえしてしまえば、四間飛車から間に合う攻めはなく、逆に32銀が離れた時点で、居飛車は45桂ピョンから攻める権利を一方的に得ることが出来る。
もちろん穴熊にも組めるし、松尾流穴熊にも合流出来て申し分ない。
振り直して工夫してくる四間飛車にも対応可能。


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【パターン④ノーマル藤井システム

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棒銀にしてみると、評価値だけ見たら良さそうだが、形的には四間飛車も申し分なく、中盤が難しすぎるくせにちょっと良しになるくらいなので指したくない。


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△一旦86角と上がることで、端歩突き越し四間飛車では、必ず居飛車穴熊が間に合う。
四間飛車居飛車に戻せるが、固さで勝ちやすいだろう。

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△ちなみに、焦った藤井システムのこれは〈斜め棒銀〉が刺さる。

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【パターン⑥🌟🌟🌟(難)端保留藤井システム

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居飛車穴熊が間に合わない。
基本的な考え方は〈急戦斜め棒銀〉〈居飛車ミレニアム〉の二択になるが、居飛車側が複雑な序盤を強いられるので、厄介な戦型のひとつになる。
(ソフトはいつでも急戦で斜め棒銀を狙うが、その後の変化が複雑すぎるので、常に人間が勝ち切るのは難しい。よって、変化が簡単な形だけ〈急戦斜め棒銀〉を目指す。)

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△居玉なら金がいても99%〈斜め棒銀〉が刺さるようだ。
四間飛車としては捻りたいところだが、飛車のコビンが空いているので複雑な展開がないので、入城するしかない。

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△37歩に対して玉を入った場合、端放置で〈居飛車ミレニアム〉に。中盤の主導権は居飛車



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【パターン⑦🌟🌟🌟🌟(かなり難)アゲアゲ四間飛車

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藤井システムの流れでは、アゲアゲ四間飛車(袖飛車)もあることに注意。後手番らしい戦型保留から先手の隙を狙えるため、大変有力な四間飛車

銀で受けて角を引けるこの形に作れれば良いが…
アゲアゲさんのようにお互い一見楽しく指せそうだが、実は〈居飛車穴熊〉を後手後手にすることが出来て、四間飛車が主導権を握れる面倒臭い戦法。というより実は"袖飛車" が単純に主導権を握れて強いのである。
居飛車ミレニアム〉も桂頭が弱いので組めないし、居飛車は丁寧な序盤と工夫を強いられて厄介。


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△ただし、アゲアゲ四間飛車の右四間飛車バージョンは、居飛車のシンプル斜め棒銀が厳しい。


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【パターン⑧🌟🌟🌟🌟(かなり難)燿龍四間飛車

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△「松尾流穴熊にしたところで……」となるのがこの四間飛車の怖いところ。ソフト的には最善手で受け続ければ+600以上の評価なのだが、人間にはプロでもない限りまず不可能。