Shogi 研究ノート(77桂型角換わり)

1級〜2段あたりの棋力をウロウロしているやつの将棋研究ノート

先手番・対中飛車の手順


【概要】

基本的に、こいなぎ流右玉を使う。
また、組めなかった場合の保険として、普通の居飛車形の対策も覚えておく。

こいなぎ流右玉は、血の気が多いやつらが多い中飛車の棋風的に、相手が強ければ強いほど駒組の途中で受けてから攻める手順になりやすい。
これで三切れ七段のこいなぎ流右玉側が負けてたりするので、しっかり受ける手順を網羅しきってから、攻め方を覚える方が安全。
攻めさえ間に合えば中飛車から出来ることはほぼない。マジで玉戻って居飛車に戻すくらい。
中飛車としては、せめて急戦に持ち込むことが必須だ。


https://youtu.be/NvFyTKI1QOY



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⚫32金型中飛車


中飛車に限らず、☖は他の振り飛車や、嬉野流、雁木、後出し角換わり等にも合流。この形は個人的に手順が難しい局面のひとつ。

☗が全戦型に対応しやすい手順としては、① 飛車先、② 角道、③ 飛車先、④ 36歩、⑤ 46歩、⑥ 58金、⑦ 78銀(左美濃完成)、⑧ 左玉 、⑨ 右銀か端(48銀、38銀)だろうか。

☖が32金型である場合は、基本的にこの手順にしておけば、端などで長々と戦型を保留されても対応が楽である。保留され過ぎた場合はどうしても左玉にせざるを得ないのだが。


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ちなみにいうと、☗48銀型の方が、すぎうら氏愛用の45歩早仕掛けのような攻めはしやすいので、ひねって四間飛車居飛車などの違う戦型にしてきた場合の対策もしておいた方が良いだろう。

細かいが、例えば☖から後出し角換わりやりたいです(金で一手損して取るやつ)、と言われたとき、48銀型だと単純45桂速攻が結構やりすい。ここで☗38銀だと、端歩型45桂速攻との兼ね合いを取りつつ、嬉野流なんかの対策である棒銀がしやすいメリットはあるものの、45桂の速さを活かせないのが悩みどころである。折角二手も早いのに。


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例えばこういう手順に、☗38銀型をどう活用するのか。ここからこいなぎ流右玉は、悪くはないものの、歩交換から角道を☖に一方的に通されやや☗は気持ち悪い。
正直、左美濃に組むだけで +200〜350 良いのなら、ここでは地下鉄飛車にするのが妥当だろうか。





⚫戦型保留型中飛車(角道閉じ)


角道を開けて閉じてくるタイプ。凡そは32金型と同じで左美濃の流れだが、最序盤の展開が若干変わってくるのと、☖はさらに戦型を保留出来るので、下手な手順をすると研究が出来なくなることに注意したい。個人的には、振り飛車を指すならこんな風に最大まで戦型を保留して、居飛車の隙を突く振り飛車オールラウンダー党がかっこいいと思う。居飛車穴熊に組まれても振りミレとか組んでみたい。


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後手番はハチワンシステムのごとく、こんな風にめちゃくちゃ戦型保留できるのが良いところだ。普通に雁木もあるし、引き角もあるし、振り飛車もある。先手としてはめんどくさい。

1筋の端は受けなくてもよいのだが、王も囲わず早々に☖が地下鉄飛車を狙われると、こいなぎ流右玉では−150〜−300くらい悪く、面白くない。


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というのがあるので、右銀と玉の入城は保留したいのだ。

左の9筋は受けないと攻めがなくなるが、1筋は受けるとお手伝いになりかねないことに気をつけて、端角を見せたのタイミングに突き返したりと、居飛車には若干の手順の工夫が求められる。
同じ戦型でも、こいなぎ流左玉なら先手優位のままだ。




⚫角交換型中飛車


例えば先に角交換されると、この場合はこいなぎ流右玉にはしづらい。この場合だけは別の中飛車対策を目指そう。

ちなみに、左美濃の手順ではこいなぎ流右玉を目指そうとする途中で5筋を突かれ、角交換と歩成りを見せてくるパターンにも注意したい。形によっては無理やり歩角と金金の交換がはじまる。

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ただ、評価値的には悪くならない無理攻めの傾向があるので、自信があるなら前述した美濃の手順にしておいて、攻めを誘導してから反撃するのも有力だ。特に級位者は、無理やり金を取りたくなるのではないだろうか。





⚫端角中飛車


普通にこいなぎ流右玉に組める。歩をつかせないようにしてきてもどうせ端歩を突けば帰らざるを得ないし、むしろ後手は手損感がある。


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ここで注目したいのは、普通のこいなぎ流右玉と違って居飛車側が端歩を突いてしまっていることだ。この手順によって中飛車側の攻め筋が若干変わってくることに注意したい。

ちなみにいうと、速攻で飛車先を付いてこんな風に無理やり金を取りに来る手があるのだが、この場合は飛車を取って、ちゃんと受ければ+1000になる。


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間違うと良くて+250くらいになって面倒臭い。




⚫都成流調端角中飛車


他に面倒な中飛車あるかな、と考えていたら思いついたやつ。☖32銀 → ☖14歩のメイドシステムと都成流と相掛かりを混ぜたような手順だ。
ここから中飛車は全然有力ではないのだけれど、やはり都成流のような駒組では居飛車を逆襲するような筋に注意。

都成流中飛車の場合は、飛車先交換されても、桂馬に紐をつけているので端角が出て色々出来るよう。とはいえ評価値的にはぜんぜん有力ではないのだが、下手な手順を指すと面倒くさいことになるし、完璧な応手は難しいかもしれない。


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⚫居玉中飛車


こういうの級位者的には多い。飛車を振り直す筋もあるし中飛車的には独自の研究に持ち込んだりと、以外とやれそうな形だ。
とはいえ、桂馬とか跳ねた局面になるとほぼ形が決まってしまう。中飛車から狙うべきは、ここから☗の駒組を誘導して陽動居飛車にする手順など、柔軟に形を変えていく戦術だろうか。両桂が跳ねているだけよりは、そういう手順の方が狙い筋が広がってくる。下手な中飛車対策をするとそれを逆手に取った研究形に持ち込まれてしまうため、この手順は中々厄介かもしれない。


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⚫ノーマルゴキゲン中飛車


普通の中飛車ってノーマル中飛車っていうべきかゴキゲン中飛車って言うべきか悩む。

こいなぎ流右玉に組めればもちろん良いのだが、手順を工夫して中飛車にしてきた場合はこいなぎ流右玉だけでなく、前述したように、サブの戦法として一般的な居飛車による対策や、独自の対策を採用する方が良い場合もある。相手にこちらの傾向を絞らせないのも戦法のひとつだ。


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